一大決心
臨時収入があったので、人生初、バーバリーのコートをゲットした。
バーバリーは、日本では、女性向けのブルーレーベル、男性向けはブラックレーベルの名前で、三陽商会さんからリリースされていたが、2015年に本家バーバリーロンドンとのデザイナー契約が終了し、現在はクレストブリッジに名前を変更して独自のブランドを築いている。
今現在、大人な方々の中には、中学や高校の時に、あの独特のチェックのマフラーをして通学していたと言う方も多いかもしれない。
上品かつ高品質なブランドだが、いかんせん値段が高い。
わたしにしてみれば、清水の舞台から飛び降りる覚悟の一大決心であった。
購入を決めるまで、サイトを1週間かけてを見て回り、買おうか買わまいか、何度も悩んではiPadを閉じ、また憧れの目でiPadを開き、手にした後の自分を想像してはニマニマする、そんな日々を過ごした。
服装と年齢
旧ブルーレーベルは、オードリーヘップバーンが20代前半だったら選ぶ服、というブランドコンセプトのもとに誕生した若い女性向けのブランドだそうな。
しかーし!サイトを見ていただくとお分かりいただけるように、10代や20代前半で、あのハイクラスの洋服一式を揃えられる子がどれだけいるだろうか。
まだ学生で、親の収入に頼っている子も多いだろう。
後続の、クレストブリッジは、もう少し上の年齢を想定しているようだが、それにしても、若い子が自腹で買うには、生活の中の服の優先順位をかなり上げなければ難しいと思う。
そんなわけで、今回、大人になり自分で買えるようになったわけだが、オバサンが若い子の服を着てるよ、イタタタタ…と言われないか、周囲の目が気になった。
決心して買ってはみたけどやっぱり…という事態を避けるため、若くない大人がバーバリーを着ている事についてどう思うか調べてみた。
中には意地悪な回答もあったが、スタンダードなデザインの物は何歳になっても似合う、店舗には実際に年配の方も来店する、周りがどう思うかではなく、自分の満足のために服を選ぶべき、等々、勇気をもらえる温かい意見が多かった。
そうだ、ファッションは自由なのだ。
好きな洋服が心身に及ぼすプラスの効果
お気に入りのファッションは、自分の気分を高めてくれたり、立ち振る舞いに気をつけるようになったり、良い影響を与えてくれる。
少し前に離婚した知人がいるのだが、別れる前に、元パートナーの方の服装に文句を言っていた。
年相応の落ち着きがなくて変、ダサい。
だから変えさせた、と。
これを聞いた瞬間、わたしは引いた。
友達ではなかったので、苦言を呈する事は控えたが、相手の趣味や嗜好を無視し、自分好みに強制変更させる行為は、人の自尊心を奪う、悪辣な支配者のやり方だ。
もし自分が同じことを言われたら、直ちにその場でその方とお別れするだろう。
そのくらいファッションは大事なことだ。
自分はそれは着ないなぁと思っても、気に入らないことを相手に伝えるのは絶対に違う。
何でも許されるわけではない
とは言え、職場や冠婚葬祭、子供の授業参観など、自分が主役でない場所では自己主張の強いファッションは控えるのがベター。
TPOは大事。
ただし、プライベートは自由。
わたしは、そう思っている。
ただ、20代前半では手を出しにくいファッションも、若いからこそ似合って着こなせる場合がある。
例えば、わたしの好きなロリータファッション。
大きく分けて、ピンクや白を基調とした、可愛らしさを全面に出した甘ロリと、黒などを基調にした、上品さを全面に出したクラロリがあるけれど、前者は絶対に若い方の方が着こなしやすい。
年齢を重ねても美しく着られている方も多いけれど、わたしは見た目がゆるふわ女子な感じではなく似合わないので、自主的に選ばないようにしている。
メインの服装にする事は、おそらく今後もないだろうけれど、もっと若い時にこのジャンルに気づいてハマっていれば、案外楽しい経験が出来ていたかもしれない。
そんなわけで、やってみたい格好があって、値段的に手が届きそうだったら、外野は無視して、似合わないかもとか、自分にはその資格がないなどとは思わず、好きな格好をして欲しいと思う。
良いと思ってくださる方も、そうでは無い印象を抱かれる方もいらっしゃると思いますが、わたしは堂々と好きを着て行きます。