自分専用キッチンがあるって、実はすごい事
突然ですが、みなさんは、お料理って得意ですか?
わたしは、とても苦手です。
1つ言い訳しますと、わたしは幼少期から勉強や習い事で成果をあげるよう親から教養されていて、その中で特に力が入れられていたのがピアノでした。
指を怪我する事を警戒し、家庭内でキッチンに立ち入らせてもらえず、料理の経験といえば、学校の調理実習くらい。
それも、お料理得意な子が場を仕切ってしまうので、わたしといえば、ただその場にいただけ。やった作業といえば皿洗いくらいでした。
何とか実家を離れ、進学した先で入れられたのは食事付の女子寮で、自室にキッチンはありません。
その後も家から独立するために消費者金融からお金を借りて学校に通いながらバイトを掛け持ちし、自分で払えるギリギリ安全な程度の賃貸物件に住んでいたため、ヤカン1つが置ける程度のコンロがあるくらいで、とても食材や調理道具を買い込んでお料理を楽しむ、なかなか自炊をするという環境にはなりませんでした。
そこから少しずつ、炊飯器を買い、お米を炊いて、お惣菜を買ったりする所から始めたのですが、自由にお料理ができる環境を手にするまで結構な年月がかかりました。
あ、言い訳が1つじゃなくなっていますね。
そんなわけで、自炊暦はまだまだ浅いわたしなのですが、今は1人で色々なお料理が作れます。
よく作るのは、カレー、タコライス、サーモンのカルパッチョ、トマトとモッツァレラのカプレーゼなどです。
なぜ作れるようになったかと言うと、それはインターネット環境を手にしたからです。
効率重視のAI(エーアイ)料理?
わたしは自分の料理をこう呼んでいるのですが、家にある食材や調味料と、その賞味期限を全てアプリに記録し、賞味期限の差し迫ったものからクックパッドでレシピを検索します。
それからメインを決め、それに合うサラダ的なものや、箸休めになるものの中で、同時進行が可能そうなものを選び作っていきます。
この方法に落ち着いてからは、食材を廃棄する事がほぼなくなりました。
自分の計画通りに作業が進み、おいしい物が、外食よりも安い値段で完成すると、とても嬉しいです。
ちなみに、クックパッドさんは株主優待をいただいているので、月額料金はかかりません。
使いたい食材の他に、作ってみたいお料理や、その日無性に食べたい気分の食材から検索したりする事もありますが、面倒に思う事もありますが、基本楽しいです。
AI料理の弱点
そんな感じで、人様の力を借りて、色々できるようになったわたしですが、困った事もあります。
レシピを検索して、買おうと思っていた材料がスーパーに行ってなかった時、どうすればいいかわからなくなります。
お料理の得意な方なら、こんな時はアレで代用しよう!とすぐに閃くのでしょうけれど、わたしの脳にはそのデータがインストールされていません。
これならイケるかも?と浮かんだものがあっても、それを使ったらどんな仕上がりになるか、マズイと感じないレベルの物が出来上がるのか、想像がつかないのです。
テキトーがわからない
他にも困った事があります。
レベルアップを計りたくて、お料理が得意な方に、味付けや献立作りのヒントを得ようと質問しても、
「え?そんなの、テキトーだよ。冷蔵庫の中の物見て、あとはテキトーにある物でやればできるじゃん?」
????????
わたしはこの、テキトーがわかりません。
お料理の得意な方は、決して意地悪で言っているわけではなく、思った事をそのまま言葉にしているだけだという事はわかるのですが、レベルに差がありすぎて、感覚的に受け取る事ができないのだと思います。
こういう事態に陥った時、料理って才能?音楽やスポーツのように、若いときからコツコツ親の手伝いをして台所に立ったり、早くに結婚して専業主婦です!みたいに家事に全振りするようなライフスタイルを選択しなかった人間には超えられない壁なんじゃないか、と思ってしまう事があります。
そういう事を言うと、
「そんな事ないよ。私も、結婚するまでは何もできなかったよー」
と言ってくださる方も一定数いらっしゃたりはするのですが。
わたしがそうであるように、努力と行動で、一通りの事を自力でできるようにはなれるけれど、限られた材料からその場でレシピを閃いて、尚且つそれがおいしい、と言うのは、ある種の特殊能力のように感じてなりません。
そんなテキトーへのアンサー?
最後に、そんなお料理が得意な人の「テキトー」とは何か?のヒントになるような事が書かれている1冊の本をご紹介して終わります。
脱力ダイムスの、THE 美食遺産のコーナーを、本編と呼ぶほど、滝沢カレンちゃんが大好きなのですが、そのカレンちゃんが4月に発売したばかりなのに、現時点(2020年5月)ですでに4度目の重版出来だそうです。
あのコーナーが好きな人は、この本もきっと好きです。
初めてこの本を読んだ感想は、何なんだこの本は!(笑)です。
「何も知らない鶏肉」「アクセサリーをつけるくらいの気持ちで」「こんちくしょうと混ぜてください」などなど、わかりにくいようで、すごく伝わるんですよね。
そもそも料理本なのに、分量は一切出てこないという、かなり画期的な内容になっています。
なぜ分量を書く事をやめたかたいうと、カレンちゃん自身がお料理を作る際に毎回計る事がめんどくさかったから、感覚でするようになったとの事。
まさにテキトーですよね。
そもそも、世の中でテキトーの意味が誤解されすぎていて、テキトーにやる=いい加減、なげやりという意味ではなくて、適当=適度な良い具合、なんですよね。
絵本の物語を聞かされているような気持ちになったり、カレンちゃんと対話しているような気持ちにもなったりと、不思議な本です。
毎日の生活の中で、楽しみながら、こんな風に頭の中で空想しながら作っているんですね。
わたしはまだ本やアプリを使わないと何も作れませんが、すぐに作れる副菜など、この組み合わせで混ぜるとできるのか~など、とても勉強になりますし、和洋折衷で唐揚げ、ハンバーグ、ラザニア、サバの味噌煮など、レシピの幅も広いので、ステイホームでお料理に時間が割ける環境の方にも良いのではないでしょうか。
読むと絶対作りたくなりますよ~。