職場や学校などの新しい出会いの場で、苦手な質問がある。
「ご出身はどちらですか?」
わたしは結構若い時から地元を離れているから、周りに同じ出身地の人がなかなかおらず、範囲を広くすれば一緒の人はいるのだろうけど、同じ市町村の方と会った事はまだなく、大概返ってくるリアクションは同じ。
「え!!!!○○のどこですか?」
「○○なんですか!?」
「○○で有名な??」
「え…それってどこですか??」
相手が知っているにせよ、知らないにせよ、だいたい大袈裟にえ!?と言われ、興味もないのに矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
普通に落ち着いたテンションで、「そうなんですか~」と、流してくれればありがたいのだけど、ハイテンションで根掘り葉掘り聞いてくる人の多い事。
今日は、わたしが個人的に言われてムッとする言葉や、その理由などについて掘り下げていきたいと思います。
~目次~
「地方」と言う言葉の表現について
まずここで、「地方」という言葉の定義について見てみましょう。
一般的には東京23区、東京都市圏、首都圏以外の地域の事をいうが、範囲は曖昧で明確な定義はない。国土交通省は、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)以外の都市圏を地方圏と定義している。(引用Wikipedia)
たぶんわたしは、全国的に見て田舎とか地方とか呼ばれる地域の出身になるのだけど、この、「地方」という言い方に対して、よく思っていない地元の人は意外と多い。
「地方」という言葉自体が差別だから使うな、という事ではない。シチュエーションや発信者による所が大きい。
よくテレビで芸人さんが、「地方にロケに行って…」などと言っているのを耳にして悪気なく言っている方が大半だとは思うのだけど、地方自治体や沖縄地方、などのように、特定のエリアや、東京都以外、という意味合いで使っている分にはいいと思う。
他にすっきりとした、くどくない言い方って、なかなか思いつかないですし。
でも、人に対して使って「地方」という言い方をしているのを見ると感じが悪いな、とは思う。
例えばこんな感じ。
A「○○さんいる?」
B「○○さん?ああ…地方の子ね」
必ずしも「地方」=「田舎」って意味ではないけれど、もしBさんが東京都出身だったら感じが悪いなぁ、というお話。
悪気がある人も、そうでない人もいるけれど、発言者が都会出身の人だと、東京都出身を鼻にかけている、田舎者だと馬鹿にしていて感じが悪い、と捉えらる可能性がある。
もちろん、出身地は選べないから、Bさんは好きで都内で生まれたわけではないけれど、その事が原因で敵を作ってしまうリスクがある。不快に思う人もいるよ、という事を最初に話しておきたかった。
でも、「地方」という表現は非常に便利なので、『地方出身者」が自分で「○○地方出身です」とか、「田舎に帰る」と言ったり、「地方に転勤になった」など、特定のエリア・地域に対して使う分には全然問題ないと思う。
あくまでも人に対して使うと、ネガティブな捉え方をされがちだよ、という事です。
テロップをつけていじられる
これも田舎あるあるだけど、よく東京のテレビの方が、地方にロケにいって、現地の人にインタビューする番組があるけれど、思いっきり訛っている人に対して標準語で話しかけて、「○×☆※」などと空耳のテロップを入れていじったり、わざと大袈裟に聞き返したりする光景を目にする事があるけれど、あれも、現地の人は怒っている事が多いです。
田舎の人は、自分は田舎者だという事はわかっているので、
「田舎だと思って馬鹿にして…」
と、不快に思っている人は多いのです。
「発音悪くてごめんねぇ」
と、笑顔で応対している人は優しい人で、心の一部にチクリとした何かを感じている可能性もあります。
中には聞き返されただけで、馬鹿にされた!激おこプンプン丸MAX!!!という方もいらっしゃるので注意が必要です。
でも、そんな事を言われたって、本当に聞き取れないし、わからないから会話できないじゃないか、という方も多いと思います。
そういった場合は、
「何度も聞き返してすみません。それはこういう意味ですか?」
などと、冷静に聞き返せばカチンと来る人は少ないと思います。
聞き返す事自体は悪い事ではありません。
聞き取れないし、何を言っているか全くわからないけれど、とりあえず返事だけして聞いているフリをする、という事の方が、より失礼ですし、バレた時の感じの悪さも倍増すると思います。
地域をネタに言われると個人的にムカつく言葉、3選
ここからは、上に挙げた「地方の子」という言い方以外で、個人的によく言われる、気に障る言葉を挙げていこうと思います。
方言で喋ってみて!
これ、よく言われます。
なんかですね、自分が犬で、「お手!」ってやらされてるような気分になるんです。
方言は宴会芸ではありません。
なぜ目の前の人を楽しませるために、普段使わない言葉を披露しなければいけないのでしょうか?
「面白い事言って!オチは?田舎出身だから奇奇怪怪な言葉を話すんでしょ?笑わせてよ!」
みたいな。
すっごいプレッシャーだし不愉快です。やめてください。
田舎なのになまってないね!
これも多いなぁ。
何であえてこういう言葉をかけるのでしょうか?
「田舎」=「訛ってて当然」という固定観念の押し付けにしか聞こえません。
ちなみに、田舎には、
- 方言しか話せない人
- 普段方言しか使わないけれど、標準語圏の人が来たら気を遣って標準語に変換して話そうとする人
- 方言と標準語を完全に使い分ける人
がいます。
年配の方だと、方言しか話せなかったり、標準語のイントネーションが上手く再現できない方もいますが、今はテレビやネットなどから情報を得られますから、完璧な標準語が話せるか、少しイントネーションが違ったり、方言という自覚がなく単語を使っていたりという人が多いです。
方言と標準語を使い分ける人は、「誰と話すか」によって、どちらを使うか瞬時に判断しています。
特産品や名物料理の名前で呼ばれる
これは、たまにあるやつ。
あれれー?
職場であだ名をつけるのって、ハラスメントになるんじゃありませんでしたっけ?
出身地は自分で選べないので、冗談でもリアクションに困る言葉をかける事はお控え願いたいです。
個人的に困る話
これは、怒るレベルの事ではないのだけど、話題がないけれど沈黙しているのが嫌、という方が出身地をいじってきて、
「○○って、アレがある所だよね?ほら、あの、有名な!」
「××通りの飲み屋さん、知ってるよね?」
「ほら、○○(方言)!意味わかるでしょ?」
「○○と言ったら△△でしょ。え!?知らないの!!!!???」
などと、土地にかけたうんちくを披露したくて絡んでくる人、とても困ります。
出身地と育った地域が全く違う人もいますし、地元だからと言って何でもかんでも詳しいわけではないのです。
相手は当然こっちに対して知ってるよね?という体で聞いてくるけれど、知らない事もあります。
その時に、何だよこいつ物知らないのかよ、という嫌~な空気になります。
中には漢字一字違いの他県の地名と勘違いして振ってくる人もいたり。(これ、怒る人は怒りますからね)
知識があるのか粗捜しされるより、あなた自身の話を聞かせてくれる方が、わたしは嬉しいです。
あとがき
出身地の事で面倒な人に会うと、あ~~正直に言わなければ良かったなぁ~~と、しんどくなる事があります。
今は様々なルーツを持った人がいますから、見た目でどこ出身かなんて、パッと見わからないし、テキトーに周りに多そうな地名に産地偽装しようかなぁなんて思う事もあります。
でも、そうすると、学歴なども詐称する事になるから、仕事関係でそれはできないし、ここが地元なんです~と、現住所周辺の地名を言ったとしても、今度は、
「え!マジで!!めっちゃ近くなんだけど!どこ中?(中学校)○○先生知ってる?」
と、いらん方向に話が飛び火したりして、余計面倒な事になったりして。
嘘の設定を人別に覚えておくのも面倒だし、本当の事を言うけれど、あまりツッコまれたくないので、飲み会等でそういう話題になったら、さりげなく席を立って5分後くらいに戻るようにしています。
マイノリティーである事を大袈裟に取り上げられる事が嫌なんだと思います。
別に、どこの出身だからと言って、何か変わるわけでも、不利益があるわけでもないので、普通に冷静に、そうなんだ、ふ~ん、で終わってくれたら受け入れられた感じがして安心できるんですけどね。(その上で旅行に行った話とか、食べ物がおいしかった話などを聞かせてくれる方は大歓迎)
と、いうわけで、田舎出身者が色々と書いてみました。
すべての人を不快にさせないのは無理だけど、こんな傾向、感じ方や考え方があるよ、というお話でした。
少しでも参考になれば幸いです。