現在テレワーク中の方、職場からテレワークを強要されている方、環境はいかがですか?
仕事の何割かは、出社しなくても在宅で可能だと思います。
これは、どんな職種の人にも当てはまり、仕事の全てが出社しなければ絶対にできない、という人はいないと思います。
というのは、どんな職業の人だって、電話対応のみとか、事務処理のみだけに的を絞れば、自宅でできるからです。
ただ、この自宅で出来る事の割合は、職種ごとに違います。
例えば、医療業や美容、飲食などであれば、人と絶対に接触せず、専用設備を使わずに仕事を成り立たせるのは、まず不可能だからです。
では、現在テレワーク実施企業で働いていない方、テレワークしたいですか?
わたしは、絶対にやりたくありません。
そもそも日本は、テレワークには向いていないと思うからです。
なぜそう思うかについて、語っていこうと思います。
日本の住宅は狭い
先進国アメリカと比べると、日本の国土は圧倒的に狭いです。
アメリカの国土面積はおよそ930 - 960万km2とされ、日本(37.8万km2)の約25倍の規模である 引用Wikipedia
海外から来られた方に、犬小屋と揶揄されることもあるくらい狭いです。
また、自宅が持ち家の方も少ないです。
住宅を所有している世帯のうち,現住居を所有しているのは2582万世帯(51.5%)総務省統計平成20年より引用
50%を、意外と多い、または少なくないと考える方もいらっしゃると思いますが、わたしは日本の就業率の高さからすると低く感じました。
多くの方は、自宅で仕事をすることを前提に、部屋を借りたり買ったりしていませんから、一部屋に荷物を詰め込んで住んでいたり、複数人数でギリギリの生活をしてる人も、少なくありません。
持ち家の人もいますが、その中に、集中して仕事に使えるような部屋が余っている人は、どれだけいるでしょうか?
zoomを使ったテレビ会議などを必須としている会社であれば、見られても良い当たり障りない背景が必要になってきます。
趣味の物や、生活感のある洗濯物などは、一時的でも写りこまないように片付けなくてはなりません。
そのための空きスペースを、確保できるでしょうか?
個人情報やプライベート丸見え
一人暮らしの方が、何とかカメラに写り込んでも大丈夫なスペースを作れたとして、家族やパートナーで住んでいる方はどうでしょうか。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、子供さんが急に泣き出すこともあるでしょうし、仕事中だからと口で言って、必ずしも理解してもらえるとは限りません。
会議中に話しかけてきたり、ビデオに映り込んでしまうこともあるでしょう。
また、夫婦やカップルで共働きをしていて、すでに片方がテレワークの場合はどうでしょう。
音声通話やビデオ会議に使える部屋が、ひとつしかなかった場合、どちらか一方が打ち合わせなどをしている中、もう一方がテレビ会議をしようとしても、他所の会社の音声通話やカメラを通して、他所の会社の内情や個人情報などが、全く別の会社の通話内に入り込んでしまいます。
仕事とプライベートの境界線が曖昧
カメラや音声通話が常にONでない勤務形態だったとしても、通勤時間がなくなった分、仕事とプライベートの境界が曖昧になってしまう可能性があります。
ボタンひとつで、いつでも気軽に繋がれるので、空気を読んでくれる人だけならいいですが、休日に突然電話をかけてきたり、始業前なのに即答できない案件を高速で話し始める人などが発生しかねません。
仕事なので、自分の意志で、無視したり拒否することができません。
一旦仕事モードに入ってしまうと、その時間の給料は発生しないのに、振られたから対応しなくてはならなくなります。
過監視上司によるテレワークハラスメント
部下がきちんと仕事をしているか常に監視する過干渉上司による、テレワークハラスメントなる言葉が最近できました。
カメラに映っていない部分の、洋服や部屋の全体を見せるように要求したり、数分おきにチャットやLINEを打ち込み、仕事をしているか何度も確認をしてきたり、現在すっぴんかどうかなど、業務と関係のない質問をしたりするそうです。
在宅だということは分かられているので、オンライン飲み会という賃金の発生しない罰ゲームも断りづらいです。
対面の居酒屋なら、ラストオーダーや終電など、いくつか逃げ道がありますが、在宅だと時間の天井がないため、理由をつけて逃げることができません。
そして睡眠時間も自由時間も十分に取れないまま、翌朝よ勤務が始まるのです。
意外と助けになるオフィス出社環境
個人で在宅で全て完結できる職業の人は、余計な雑用や通勤時間などが減って、仕事も捗る事でしょう。
また、お昼を全て外食にしている人にとっては、自宅で食事が取れると、その分の節約にもなります。
ただ、利点しかない方というのは、業務遂行自体が、作業から完成まで一人で完結する方に限られると思います。
意外と、オフィスに行って仕事をするというスイッチを切り替えることは、非常に大事で、何気ない雑談は、場の雰囲気を和ませ、リラックスさせたり、午後の眠気を吹き飛ばしたりもします。
何かトラブルが起きた時に、複数の人がいると、誰かが電話対応している間に、他の人が書類や過去のデータを調べるなどの、連携プレイができます。
ちょっと機械トラブルが起きた時や、PCの調子が悪い時に、詳しい方がいれば、その場で対応してもらえますし、こういうことをやっても良いかという確認を取りたい時に、上司が近くにいれば、すぐに回答を得ることができます。
オンラインでつながっているだけでは情報が限られるので、今話しかけても良いのか、どのぐらい集中しているのか、実際に、社内で同じ空間にいるときよりも判断が難しいです。
働き方改革になれば良い
いろいろ書きましたが、「今日からお前在宅な!」と、突然上から言われるのではなく、在宅の環境が合っている人は在宅、オフィスで仕事をしたい人は出社、というように、働く側が自由に選べるようになればいいと思いました。
そうすれば、本当は社会と繋がっていたいけど、子供を育てるために仕事を辞めることを決断した方などが、周囲に気を使いすぎずに働く機会を継続して得られるからです。
「テレワーク疲れ」という言葉も聞くようになり、経験者は、自分が在宅に向いているか、そうでないか、実感できたのではないでしょうか。
また、テレワーク賛成側の方の意見も複数読みましたが、
- 家族との会話が増えた。
- 通勤時間が減って、睡眠時間が増えた。
- 料理をするようになった。
- 無駄な雑音が減り仕事の能率が上がった
など、自分に合っている事を実感したり、家族との繋がりや、心身の健康が充実したものに変わったと感じていらっしゃる方がいるのも事実です。
また、在宅orオフィスと完全に切り分けるのではなく、週の半分だけテレワークだったり、午前中は自宅で、午後からはオフィスで仕事をする、なんていうパターンの方もいらっしゃるようです。
まあ、どこで仕事をするにせよ、働くというのは、他人のリズムに合わせ、人に気を使うことでもあるので、上に立つ人には、過剰な監視を止め、多少の息抜きは許してほしいものです。
今、我々は、歴史の変化の間に立っています。
今週から、緊急事態宣言が明けました。世界はどんどん変わっていきます。
変化と言えば、パワハラ防止法が、2020年6月から施行されます。
テレワークに関しても、パワハラにあたる明確な基準が、今後公開されるかもしれませんね。
個人的には、やる事をやって成果を出していて、人や社会に対して間違った事をしていないのであれば、その他の部分は、個人の自由でいいのではないか、と思います。