こんにちは。
みなさんは、駅でエスカレーターに乗るときに、歩いて前の人を追い越したりしますか?
わたしは前からあの行為をする人が疑問でした。
普通に考えて危ないですし、歩いたところで、黙って乗っているのと大して時間は変わらないはずです。
また、鉄道会社も、危ないですから追い越し禁止、左右交互にに乗りましょうキャンペーンをやっているので、わたしも、あえて他の方とは逆側に乗り、通行の妨げになることで、実際に追い越そうとする人はいるのか、5日間にわたり、同じ駅、同じ時間で実験してみることにしました。
〜目次〜
簡単な実験のルール
- 朝のラッシュ時は避け、ピーク時からずらす。
- 皆が左なら自分は右に乗るが、前の方との間をわざと多く開け、追い越したい人がいれば追い越せるような状況にする。
- 話しかけられるまで自分からは動かない。
わたしの事前予想
日本人は、思ったことを率直に言わない文化なので、目の前の人間に対して、邪魔だと不満に思っても、声をかける等のアクションはせずに、黙って時が過ぎるのを待つから、特に何も起こらないと思いました。
1日目
この日は後ろに人が乗っていましたが、特に急いでいる人や、追い越したがっている人はいませんでした。
2日目
この日は、わたしの後ろに列が出来ていましたが、特に声掛けや舌打ち等、不快感をあらわにするようなアクションをしてくる人はいませんでした。
エスカレーターに乗っている時間は、長さにして2分弱程度。
その間に、見知らぬ人にどいてくださいと声をかけるエネルギーや、万が一トラブルになるリスクなどを考えて、不満に思いつつも、行動しないメリットを優先したものかと思われます。
3日目
ここで事件は起きました。
前日までと同様に、他の方とは逆側に、前の方とは距離を取って乗っていました。
…が、ここで突然視界がぐらりと動きます。
ドン!
「どけっ!!」
突然エスカレーターの反対側に叩きつけられました。一瞬の出来事でした。
わたしを押したのは、イヤホンをした、大学生風の男でした。
何が起きたか分からず、理解するのに数秒かかったのですが、後ろを振り返って、なぜ自分が押されたのかが分かりました。
後ろに乗っていた女性客が、わたしのすぐ後ろにぴったりとくっついていたのです。
これが原因で、大学生男性は追い越しが出来なかったのですね。
この男性がわたしを突き飛ばし追い越した後、5人の人が後に続く形で続々と倒れかかったわたしを追い越して行きました。
ケンカする気はないよ。追い越したいなら追い越してね、という、わたしの無言メッセージが、残念ながら青年には全く伝わっていなかったという事になります。
自分なりの考察
人と違う方向に立つのはKYなのか?
まず、この大学生風男性、明らかにわたしを悪者であるかのような扱いをしたので、追い越し禁止のルールを分かっていないか、わたしの事を、空気を読めない迷惑な人…つまり、片側に寄るのがマナーと思っていた可能性があります。
すごく急いでいたり、突然お腹が痛くなったなど、何かしら事情があったのかもしれませんが、言葉を発せる状況にあったのだから、せめて突き飛ばす前に、一言すみませんなどと声がけをして欲しかったと思います。
犯罪や暴力には縁のない、普通の青年に見えたので、突然の行動が余計に怖かったです。
ルールを守ったり、追い越しは良くないからと、左右交互に乗っていたら、怒鳴りつけられたり舌打ちされたりして、正しいことをしているのに怖くなって片側に寄ってしまったという人の話をよく聞きます。
空気を読むとは、ルールとは、一体何なのでしょうか?
パーソナルスペースの違いという解釈
わたしの真後ろにぴったりくっついていた女性、この方は、わたしとはパーソナルスペースにおける価値観が違うという事です。
パーソナルスペースは相手に入ってこられると不快に感じる距離感のことで、他人に近づかれても大丈夫な人が、パーソナルスペースが狭い。逆に、他人と距離を大きく取りたい人は、パーソナルスペースが広いと捉えます。
パーソナルスペースは、相手との関係性によっても変わってくるので、親しい相手なら、近い距離でも大丈夫だけれど、知らない相手となら、一定の距離をとりたい、という方が多いと思います。
しかし、このパーソナルスペース、国によっても考え方が違ってくるようで、アフリカや東南アジアの一部では、パーソナルスペースがすごく狭い(他人との距離が近い事に不快感を感じない)のだそうです。
わたしの住んでいるところは、外国人が多いので、可能性としてこの女性は、
- パーソナルスペースが狭いバックグラウンドをお持ちの方である可能性。
- 公共機関での過ごし方等に慣れていて、他人との距離に特に不快感を感じない方である可能性。
- さらに後ろに並んだ方から、前に詰めろと圧力のようなものを感じて、空気を読んだ可能性。
などが考えられると思います。
追い越す事のデメリット
目的地へ急ぎたいその気持ちは分からなくはないですが、相手を押しのけることで得られるメリットは、デメリットを上回れないとば回れないと思いましたので列記します。
左右に並んだ方が、移動効率が上がる説
人が左右に並べば、移動効率は単純に考えて2倍になります。
知らない人の隣に並ぶというのは、抵抗がある人が多く、なかなか定着しませんけどね。
歩いてもそんなに変わらない
エスカレーターを歩くことで縮められる時間って、せいぜい数十秒程度だと思います。
事故になったらほぼ加害者確定
エスカレーターは、歩くことを前提に設計されておらず、左右に人が乗る事は、身体に不自由があり、片側にしか掴まれない方に配慮した結果でもあります。
今回の男性のように無言で押しのける行為は、身体に事情がある方を危険にさらす行為でもあるのです。
あとがき
調べていたら、面白くなってきました。
シンガポールや中国などには、日本人の感覚からしたら、びっくりするような速度のエスカレーターがあるとか。
運動神経が良くないと、乗り降りに緊張しちゃいますね。
どうしても追い越したい派の方ように、どうせなら、追い越し専用車両のようなレーンを…とも考えたのですが、高さや速度がある分、危ないからダメですね。
ルールを守らない人対策として、1人用のエスカレーターを作ればいいのでは?とも思いましたが、新し目の駅では、1人乗りが増えてきています。
将来的には、これがスタンダードになるのでしょうか?
色々書きましたが、わたしの意見は変わらず、追い越し反対!
追い越し派の人は、他人を危険にさらしてまで己を貫かずに、もっと早く家を出る、早く起きる、食事は一旦保留するなど、日常の中にやれる事はあるはずです。
調査は5日間のつもりでしたが、突き飛ばされた時の事が怖くて、その後続ける事が出来なくなってしまいましたので、ここで一旦終了します。
ふと思ったのですが、階段だと4列以上で知らない人同士が上下にすれ違っているけど、それに対して走るなとか、マナー違反だとか言う人は聞いた事がないのだけど、エスカレーターだけ言われるのは何でなんだろうね。
学問として、分母を増やして国別に統計を取ったら面白そうだと思いました。