異変
ある朝起きたら、うさぎさんの様子がいつもと違いました。
いつもなら、「ご飯ちょうだーい」と全力で寄ってくるのに、その日はそれがありませんでした。
最初は、ただ眠いだけかなとも思いましたが、いつまでたっても食事をする様子がありません。
それどころか、普段は活発な子なのに動く様子はなく、動いたと思ったら場所を移動して体勢を変えまた寝ると言ったことを繰り返していました。
近づいても、耳を立ててこちらに気づいたりといった反応がなく、撫でても無反応。
いつもなら気分によって、甘えたり無視したりするのに、リアクションが全くありません。
おまけに身体がとても冷たいのです。
ケージの中を注意深く見てみると、同日深夜以降、全く食事を取った形跡も、トイレをした形跡もないのです。
うさぎさんは24時間以上の空腹が続くと、胃の活動が止まってしまい、生きていけません。
何か尋常ではないことが起きている。そう確信しました。
~目次~
いざ、動物病院へ
「急性胃拡張ですね」
動物病院でそう言われました。
お腹の中にガスがたまって、何も食べていないのに、満腹のように感じて食欲がわかないから食べない。
残念ながら、うさぎさんにはよくあるそうです。
診察台から逃げ回る中、安全をに配慮していただきつつ、お薬を2本打ってもらいました。
(うさぎさんは、元々捕食動物ゆえ、強い恐怖やストレスを感じると、楽になるためにホルモンを分泌し、自ら心臓を止めてしまう機能が備わっているのです)
「今日はこのまま帰れますか?」
「今日はこのまま入院になります」
「え…!?」
頭が真っ白になりました。
緊急入院でショック
一旦病院で様子を見るということで、飼い主は一時帰宅となりました。
家に帰っても、空っぽのケージ。どうか助かってくれと願うばかりです。
やるべきことはたくさんあるはずなのに、何も手につかず、退院した時に快適に過ごしてもらえるようケージの掃除をすることにしました。
うさぎさん用の尿石除去剤、シャンプーなどを使い丁寧に洗います。その後濡れたままの所に乗り毛がはげてしまうことを防ぐため、水分を完全に拭き取ります。
からっぽのケージがピカピカになりました。
その後、あまり記憶がないのですが、家中をピカピカに掃除していたようです。
パニック状態に陥り、止まっていることに耐えられず、頭を使わず体を動かしていることで現実逃避していたようです。
うさぎさん、その後
病院に診断結果を聞きに行きました。
緊急入院したうさぎさん、その後、お薬が効いて症状が安定したため、帰宅が認められました。
獣医さん曰く、動物病院に連れてこられた事で大きなストレスがかかっているから、後は慣れ親しんだ自宅で休んだ方がいいとの事でした。
食欲はまだ戻らないようですが、自ら動いたり、リアクションを取るようになりました。大きな進歩です。
しかし、入院中に撮影したレントゲンで、新たに毛球症が見つかりました。
(うさぎさんは綺麗好きで、自分の体を舐めて毛並みを整える性質がありますが、健康な状態であれば排出されるはずの毛玉がお腹の中に止まってしまう病気です。季節の変化等による一時的なものであったり、急激なストレスや、元々の体質など、原因は複数考えられます)
幸い手術には至らず、負担の少ない内科的な治療を続けていこうということになりました。
うさぎさん闘病記
自宅療養を続けるためには、ペレット(固形フード)に薬を混ぜたものを食べてもらう他ありません。
退院初日は、少量ですが、草や水を自ら摂ってくれているのを見てすごく嬉しかったのです。が、肝心のお薬を食べてくれず、そこだけが心配でした。
獣医さんに相談に乗っていただき、少しお水でふやかしたペレットを置き、様子を見ながら出かけ、帰宅すると…。
なんとペレットが空!
ペロリと全て食べているではありませんか。
この日から、食欲完全復活。
お薬に、うさぎさんが好んで摂るように甘い味が付いているようで、早くよこせとねだってくるようになりました。
(気に入ったみたいだけど、これ、お薬がいらなくなった後に元のペレット食べてくれなくなったらどうしようって、ちょっと心配)
でも、油断は禁物です。
再発しないように、悪化しないように、今後完治できるように治療を続けている所です。
大切な家族を、何としてでも守りたい
もしあの日、わたしが仕事をしていたら。眠いだけだと思い込んで、そのままにしていたら。
帰った時にはもう手遅れになっていた可能性が高かったそうです。
普通なら悩む所なのでしょうけれど、この日ばかりは仕事がなくて良かったと、心から思いました。
月に帰るのはまだ早い。
行動した事で、家族の命を助けられた。
最悪の未来を変えられたようで、その事がわたしの誇りになりました。
うさぎさん的には、無理矢理連れてこられて、知らない人たちに痛い事や怖い事をされたーって感覚かもしれないけれど、今年1番のいい事をしたと思っています。
判断が早かったから、痛みや苦しみを感じる前に処置ができたのだそうです。
このように、デリケートなうさぎさんと暮らしていくためには、少しの変化にも大丈夫と自己判断せず、気を配ることが大切だと思います。
また、また、ワンちゃん、ネコちゃんと比べて、うさぎを専門的に診られる先生は圧倒的に少ないです。
犬猫のついでにウサギも診るよ、というおまけ程度のところもあったり。
そういうところの先生は、知識に乏しく適切な処置ができない事があるので、いざという時の通える距離の動物病院を探しておく事、診療費の確保、外出の練習などをされておくといいと思います。
外出の際には、脱兎防止や安全のため、必ずうさぎさん用のキャリーバックを使ってくださいね。
こんな感じの。
家の近くに動物病院がないので、タクシーを利用したのですが、何度か通院しましたが、キャリーバックに入った状態だと、動物の乗車を快くOKしてもらえるんですね。今回こういう事になって、初めて知りました。
(もしかしたら、動物の乗車禁止のタクシー会社さんもあるかもしれないので、事前に電話等で確認された方が確実だと思います。ただ、わたしは今の所断られた回数0件です)
わたしがお世話になった動物病院は、良心的な所ですので、明朗会計でしたが、自由診療なので、人間の普段の医療費と比べると、どうしても金額が大きくなってしまいます。
うさぎさんは、5桁や6桁の出費も珍しくありません。
そのことも踏まえて、毎月一定額貯蓄をするか、ペット保険に加入するなどの経済的対策もしていた方がいいのではないかと思います。
今後も治療は続きますが、どんな事が起きても、最後まで助ける覚悟です。
お金が余っているわけではありませんが、最悪なくなったら、カードキャッシングやリボ払いなども使って、人間が生きてる間に返せばいいかなと思っています。
うさぎさんには、ご飯がおいしいとか、毎日楽しいと思いながら生きてもらえればそれでいいです。
できる事があるのにそれをせず、平気な顔をして生きていく事はできないと思いました。
今はすごく元気になったので、少し安心しています。
大切な家族。今後も仲良く楽しく暮らしていきたいです。