季節は冬。
クリスマスが近づくと、街がクリスマスムード一色に。
どこのお店に行っても、クリスマスな飾りつけばかり。
ついこの間まで、ハロウィン特集とかやってませんでしたっけ?とツッコミたくなる。
今日は、先日あった、ちょっとほっこりするエピソードがあるので、それをみなさんにシェアしたいと思います。
~目次~
天使のような少年
行き付けのケーキ屋さんに行った時の事。
ドアを開けた瞬間、
「あー!おきゃくさんだー」
と、小さな男の子に指差される。
「す…すみません。コラ、指差すのはやめなさい!」
男の子のお父さんらしき方が謝ってきた。
静かになる男の子。
天使のような子だ…!と思った。
そのくらい、無邪気で可愛い子だったのだ。
わたしがニコニコしていると、お店の装飾を触りだす男の子。
「ねぇねぇ、なんでこれぷにぷにするの?」
「こら!勝手に触るのはやめなさい!!」
「…はーい☆」
きちんと注意できるお父さんと、注意されたらちゃんと聞ける子。
怒れない親が増えているから、素敵な親子だなと思った。
少年の言い分
少年は歩き回りながらも、注意されたのでお店の物には触らずに店内を探検していた。
そこで目にとまったのは、入り口に飾ってあったクリスマスツリー。
この少年、かなり人懐っこい子らしく、トコトコとこちらに近づいてきては話しかけてきた。
「ねぇねぇー、このおみせにはクリスマスツリーがあるのに、ぼくんちはせまくてビンボーだから、クリスマスツリーがないんだよ?ぼく、かわいそうじゃない?」
わたし、声を出さずに笑う。焦るお父さん。
「ねぇー、ともだちのいえにはクリスマスツリーがあるのに、ぼくだけかってもらえないんだよ。ぼく、かわいそうじゃない?」
「うちもツリーがないから、いっしょですねぇ」
ぼく、同意できなくてごめん。
「ねぇー。ぼくんちは…」
周りにいた店員さん、お客さんを巻き込んで同意を求めまくる少年。
でも、「うちも狭いからないよー」で、誰も同意してくれない。困っているお父さん。
「こら!もう黙ってなさい!!」
ついには怒られてしまった。
日本の住宅・経済事情
これは想像だけど、たぶん少年は賃貸か分譲マンションに住んでいて、家が特別広いわけではない、もしくは、親御さんが一瞬しか飾らない、しかも費用や管理スペースの必要なクリスマスツリーを買いたくないがために、「うちは狭いからツリーは買わないよ」と言っていたんだと思う。
で、これを真に受けた少年は、他の子は買ってもらえるのに、自分は買ってもらえない。だからぼくはかわいそう、という風に考えて、それをそのまま周囲の大人に言ってしまったんだと思う。
親御さんからしたら、あまり外では言ってほしくなかったですよね。
でも、子供は無邪気だからそれをそのまま言ってしまう。それが可愛いところでもあり、怖いところでもありますよね。
でも、ツリーを買わないor買えないお宅って、今の日本の住宅・経済事情から鑑みても、結構多いんじゃないかと思う。
まず日本は土地が狭いから、アメリカみたいにみんなが広いお家ってわけではないし。
雑貨屋で売っている、卓上タイプの可愛いツリーならまだしも、本格的なツリーは、持ち家か広めのお宅じゃないと、置くのも管理するのも難しい。
わたしも、実家にはツリーがあったけれど、今の家にはないし。
本当は飾りたいですよ。
でも、現実的なコストとかを考えて、カットしちゃってるだけなんですよね。
クリスマスツリーに限らず、日本の経済事情は、決して良いとは言えないから、おせち料理を食べた事がない子や、おひなさまやこいのぼりを持っていない子など、日本の伝統文化といえる物に全く触れた事がない子も、たくさんいるだろう。
でも、それって親御さんだけの問題じゃなくて、この世の中、日本経済の現実を現してるなぁと思った。
あとがき
さんざん自分は貧乏でかわいそうな子、とアピールしまくっていた少年が、ケーキを買って帰っていく。
「ばいばーい☆」
「バイバーイ」
可愛いなぁ。
すごく和んでしまった。
自分も会計しようとした時、目に入ってしまった。
!!!!
いや、そういうつもりは、全くなかったんですよ。
少年のお会計の数字。
ぼく…きみん家は全然貧乏なんかじゃないよ。
だって、本当にそうだったら、そんなにたくさんケーキ買ってもらえないよ。愛されてるね。