麻歩の、寝たり食ったり喋ったり

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留学生に感動した話

 わたしは語学を勉強していますが、日本育ちではないのに、数ある言語の中から「日本語」を選択する外国人の方はすごいな、と思うんです。

 

 だって、日本語って、初見で面倒でとっつきにくいと思うんですよ。

 

 英語やロマンス系の言語なら、A~Zまでのアルファベット26文字が基本になっているのに対し、日本語はひらがな50音から始まって、カタカナ、漢字もあって、それらは組み合わせによって読み方が変わってしまう。

 

 本をたくさん読んできたので、言葉はそれなりに知っている方だとは思うけれど、たぶん、わたしが読めないというか見た事がない、または知らないまま一生を終えそうな漢字がたくさんあると思います。

 

 物の数を数える時も、日本語だと、1個、2冊、3柵、4本など、名詞によって単位が変わりますよね。

 

 しかも、ただでさえとっつきにくいのに、頑張って覚えても世界中で通じるわけではなくて。

 

 今日は、日本語を学ぶ事に決めた、ある留学生とのお話をします。

 帰国子女のイラスト(男性)

~目次~

 N君との出会い

 友達とご飯を食べていた時の事。

 

 日本在住ベテランのSさんが、留学生のN君を紹介してきた。

 

「この子、後輩みたいなもんだから、仲良くしてあげてー」

 

 N君は、短期留学で日本に来たばかりの若い男の子。

 

「ニホンゴ、オシエテー」

 

 カタコトの日本語では話しかけてきてくれたN君に感動し、わたし達は、一緒にご飯を食べることに。

言葉を覚えるという事

 わたしも人の事は言えないのですが、一緒にいた友人Yは、かなりの毒舌

 

 それに加えて、テレビなら確実に、ピーッって入りそうな言葉を平気で伏せずに喋る(笑)

 

 とにかく、日本語を覚えたいというN君。

 

 そこでわたしが、友人Yに、

「Yは、これからNHKのアナウンサーみないた言葉遣いで話さないとダメだよ?責任重大だよ。綺麗な日本語を教えてね」

と釘を刺した。

 

 一生懸命に日本語を覚えようとしている外国人に、あまりよろしくない言葉を教えて笑うような人たちが許せなかったのだ。

 Yはそういうタイプではないけれど、せっかくならN君には綺麗な日本語を覚えて帰ってもらいたかったのだ。

 

 Yが、ハイハイ、と空返事をしていたら、すかさずN君が、

 

「違うのー!教科書の言葉も、ニュースの言葉も、ワカモノの言葉も全部覚えたいから、普通にシャベッテー!」

 

 おおー!

 

 雷に打たれたような気持ちに。

 

 わたしがN君にしようとしていた気遣いは不要だったのだ。

 

 わたしが、「留学生だから」と配慮しようとした事は、N君には必要なくて、N君が求めていたのは、日常で通用する自然な日本語だったのだ。

 

「そっかそっか。そうだよね。そうだよね!ごめんね」

 

 わたしはN君に謝った。

 自然と申し訳ない気持ちになったのだ。

 

 そこからわたしたちは、普通に話す事にした。

しばし歓談

 N君は、色々な事を話してくれた。

 

 家族の事、祖国の事。将来の夢。

 

 日本に来たのも夢を叶えるためで、N君が就きたい仕事は、3ヶ国語以上話せると、採用時に有利になるんだって。

 

 英語とフランス語ができるから、あともう1つ覚えたくて、興味のある日本に来てみた、と言っていました。トリリンガル、すごい!

 

 ちなみに、楽しい会話が長時間成立していたのは、わたしの英語力が高いから、ではなくて、N君の語学力が高いから。ほとんど日本語だったし。

 

 日本に来る前に、現地の日本語学校にも通っていたそうで、もう、日本語話せるって言い切っちゃっていいんじゃないかなと思うくらい話せてました。地頭がいいんだろうな。

 

 ちなみに、どうしてもお互いに通じない部分が出てきた時は、英語とジェスチャーを交えて、こういう事?と質問してみたり、グーグル翻訳に打ち込んで見せたりとか、表現の手法を伝わるまで変えてみると通じました。

 

 いい時代になりましたね。

主張できる事の強さ

 N君のように、母国語が当たり前に通じない土俵で、自分の意見を主張できるって、すごく強みだな、と思いました

 

 もしN君が主張してくれなかったら、こんな風に自然な会話で楽しい時間を過ごす事はできなかっただろうなぁ。

 

 わたしたちが思っている留学生と、日本語を学びたいと思っている外国人では、求めているものが違うのかもしれませんね。

 

 わたし自信も、すごく勉強になりました。

おすすめ本の紹介

 ここでいきなり、おすすめ本を紹介します。

 

 筆者は東大の院卒で、日本の大学で教鞭を執られている有名な先生なのですが、こちらの本に、今回の件と似たエピソードが出てくるんです。

 

 学生向けに、イタリア語のスラング講座を冗談半分で開講して、人が集まらなかったらどうしようと思っていたら、思いのほかリピータ続出の大人気講座になってしまった、というお話。

 

 対人で使う事はないし、使ったらいけないけれど、だからこそ知りたいし、覚えておきたいと思う日本人が多かったんでしょうね。

 

 こちらの本は、全編通して楽しく勉強になるコラム満載なので、オススメです。

 わたしも何度も読んでいるお気に入りの1冊です。

あとがき

  あとからSさんが教えてくれたのですが、N君はかなりいい所の方だったみたいです。

 携帯で、おうちの写真を見せてもらっていたので、なんとなくそんな感じはしていましたが。

 

 日本人は日本語しか話せない人が多いけれど、彼のような優秀な人材が、世界には五万といるんだろうなぁ、と。

 

 というのも、結構語学を通して知り合う方って、専門分野以外に当たり前のようにバイリンガルだったり、優秀な方が多いんですよね。

 

 家族のために頑張りたいというN君の夢、叶うといいね。

 ていうか、絶対叶うと思う。だってこんなに意識が高くて優秀だもん。

 

 わたしも頑張るぞー!