コンビニに行った時の話。
買い物を終え、自転車を動かそうと思ったら、謎の黒い物体が。
ヒィィィΣ(゚д゚lll)
何かわからず、そっと近寄ったら、黒猫であった。
(野生のポケモンかよ…びっくりした~_~;)
自転車の下に潜り込んでいて、このまま動かすとぶつかってしまうため、そ〜っとコミュニケーションを試みる。
「猫さ〜ん、ちょっとどいてくれないかな?」
通じているのかいないのか、猫の目線に合わせて声をかけてみた。
…ら、言葉が通じたのか、猫さんは起き上がり移動。
…したと思ったら、わたしの足に顔をこすりつけながらぐるぐると回り始めたw
おぃおぃ~_~;
(でも可愛いな)
無類の猫好き、というわけでもない。
でも、なんだか無下にできず、しばらく様子を見守ることにした。
するとそこへ、この近所の方だろうか、コンビニで買い物を終えたおじさんがやってきた。
「うわぁ!こいつがこんな風にじゃれるの、珍しいな!」
悪い気分ではなかったので、勇気を出して、おじさんに話しかけた。なんだかそんな気分だったのだ。
「お宅で飼ってる猫ちゃんですか?」
するとすぐに答えが返って来た。
「違うよ違うよ。野良猫だよ」
ここから私たちの会話が始まった。
おじさんは、この猫について色々な事を教えてくれた。
「野良猫で、この近辺をウロウロしてるんだよ。お腹が空くと出てきて、買い物してきたお客さんで、食べ物をくれそうな人を選んで甘えてるんだよ」
なるほど。
てっきり人間が好きでかまってほしくて無邪気に甘えてきたのかと思っていたけど、この子は生き延びるために必死で自分の可愛さを利用してきたんだな。
寒空の下、少し複雑な気持ちになった。
もふもふ毛だらけの生物であっても、今の時期の気候はかなり厳しいだろう。
「ほら食え」
おじさんが買ってきた餌を、警戒しながら食べ始める。
「この子は人間にひどい目にあわされた事があるみたいで、すごく警戒するんだよ。今でもおどかすような動きをすると、走って逃げていく。この近所に小学校があって、そこの子供達とか、近くに住んでる若い兄ちゃん姉ちゃんとかが、見かけるとこうやって餌与えてるんだよね」
近所ではちょっと有名な猫らしい。
野良猫に餌をあげる事がいい事なのかどうかは、賛否両論あるだろう。
この子が元々野良猫だったのか、途中からそうなったのかはわからない。
人に飼われるのと自然の姿で生きるのと、どちらが幸せなのかも、猫に聞いてみないと本当の所はわからない。
でも、この子は必死に生きている。
連れて帰る事はできないけれど、地域の人に愛されて、できるだけ幸せな生涯を送ってほしい。そう思った。
急ぐ事をやめ、しばらく私たちは会話を続けた。
やがて、猫は他のお客さんにもひとしきり甘えた後、どこかへ走り去っていった。